クマサンのナゾ
ここでは、スプラトゥーン2においての「朽ちた方舟ポラリス」と「クマサン」についての個人的な考察を書いてゆきます。開発側としてはテキトーな設定を作っていた…ってこともありそうですが。解りやすくするために、引用文は一部改変しています。
まず、本題の前にスプラトゥーン世界の時代設定について。スプラトゥーンの世界は現代から約1万2千年後、人類が絶滅した後の地球であるという設定があります。公認の漫画によると、海面上昇の原因は「温暖化や核ミサイルによる南極融解」。
フェスにはこんな設定も。
イカたちが暮らしている1万2000年後の世界に、フェスのお題になった「ポッキー」や「きのこの山」は存在しないけれど、今の世界で発信した電波が6000光年くらい飛んでボイジャーみたいな探査機から跳ね返ってきて、地球にあるカミ様:FAXが受信するという形で「きのこの山とたけのこの里、どっちが好き?」みたいな、しょうもない質問が送られてくる。イカたちはよくわかってないけれど、聞かれたからには何となく答えておこう…みたいな感じで、フェスに参加している。
(これはわたしのかんがえ:フェス時のヒメ・イイダが「ポッキーってなんだ?」となると話が進まないので、ニュース内でのメタ発言は許されているようです。「ゲーム内容が ちょっと変わったよ!」とか言ってますしね…)
ポッキーやユニクロ等に関するフェスの存在により、スプラトゥーンの世界は人類が滅亡した後の世界であり、同時に私達の世界の延長線上にある という設定が読み取られます。これを踏まえた上で…。
1. 朽ちた方舟ポラリスのナゾ
「ポラリス」とはこぐま座の星座のひとつで、北極星のこと。動かない星ですね。この時点ですでにクマサン要素が。「朽ちた方舟」とはそこに鎮座しているスペースシャトルのような残骸を指しているのでしょうか。サーモンランのステージでは唯一 星が見えますが、これがこぐま座とは断定できませんでした。
なんといってもこのステージの特徴は「人語」。スプラトゥーンの世界ではあらゆる文字がイカ語で表されている一方で、このステージにはハッキリと英語の表記が。言うまでもなく、ポラリスは人類によって造られた施設だと推測できます。サビれ具合から見て、シャケナダムとかもそうなのかも。
ロケットの残骸が残されていることから ここはその発射場であり、はるか昔に人間が造ったものと考えられます。スプラトゥーン公式ツイッターより「希望を積み、滅びゆく地上から旅立っ"た"とされる箱舟」とあるため、おそらくそれはすでに発射されたという解釈が可能。わざわざ「方舟」と言うほどですから、人間が乗っていたのではないでしょうか。ただ近くには人工衛星のようなものも墜落しているので、その成否は定かではありませんが…。
ステージ中央の足場をのぞくと、中にジェットエンジンがちらっと見えます。キレイなため未使用なのかも。キラキラしたものが被さっていますが、これは宇宙の熱から人工衛星等を守る「サーマルブランケット」と呼ばれるものです。つまり、これはまだ打ち上げられていない人工衛星だと推測できます。
そして、なにより気になる「クマ出没注意」。なぜわざわざクマの出る場所にロケット発射場!?このステージは干潮になると超巨大なクマの足跡が現れます。またその足跡は沖の方へ続いているように見えました。出没する「クマ」とはこのことなのか?どちらにせよ、どうしてもそこから発射しなければいけない理由があったのでは。干潮時には危険物を示すマーク付きのコンテナも姿を現します。宇宙への輸送物でしょうか。
2. クマサンの目的
普段イカはシャケナダムやポラリスに近寄らず、シャケが現れるバイト時にのみそこまで遠征します。イカたちをそんな場所にまで送迎するクマサンの目的と正体は…?ファミ通の開発者インタビューによると…
クマサン商会は登記上は記載があるけれど所在地は空き地で、それ以上はわからない。ハイカラスクエアにいるヒトとのつながりもないようで、ダウニーに聞いてもわからない。会社かどうかすらわからない。CMが出せるので、それなりにお金はあるみたいだけれど、仕事も基本的に現地集合、現地解散なので、社員さんと会った人もいない。(どこかで見ていて、スピーカーから声を?という質問に対して)見ているかどうかもわからない。プログラムされた自動音声かもしれない。
…とあるのでクマサンは少なくともハイカラスクエアのひとではないようです。となるとタコか、シャケか、あるいは……?
そして、クマサンはたびたび金イクラへの強い執着心を見せます。特に英語版のクマサンのセリフには…
ハコビヤ接近時
"MY EGG BASKET! Don't let those slimy Salmonids touch my eggs!"
「私のイクラコンテナが!汚らわしいシャケどもを私のイクラに近づけるな!」
カンケツセン時
"There's the Goldie! Take its eggs!"
「キンシャケだ!イクラを奪い取れ!」
…とあり、ちょっと威圧的です。日本語のバイトマニュアルでも金イクラへの執着が窺えます。
そもそも金イクラとはいったい何?必死に集めていましたが、考えたこともありませんでした。プロデューサーの野上氏によると、「金イクラは私達でいう石油のようなもので、燃料になる」とのこと。クマサンは金イクラをお金のためではなく、燃料として集めているようです。燃料といえば…先程のロケットが浮かびます。するとクマサンはポラリス下の衛星(?)を打ち上げようとしているのでしょうか…ポラリスの存在を知っていて、それが実行できるのは人間に関係する人物だけのはず。
3.クマサンブランド
サーモンランの報酬には「限定ギア」なるものが存在します。それらの多くはちょっとクセがきいてますよね…。イカが着るものとは一風変わった現代の作業着のようなギアです。イカの世界には存在しないはずの「JAMSTEC」や「タワーレコード」といったコラボ先のものも。プロデューサーの野上さんが着ていたフクもありました。
以前、第三回スプラトゥーン甲子園で優勝したGGBOYZの衣装を模した、オンラインのシャツ(BBシャツ プレミアム)が配布されましたが、実はコレ、ブランドが「クマサン商会」なのです。対して似たような形で配布されたハロウィーンギアは「バトロイカ」でした。
クマサン商会のギアはみな「私達の生きる現代に存在するもの」という特徴があります。クマサンはどこからこれらのギアの特徴を持ち得たのでしょうか?それができるのは人間だけでは。
ここに来てクマサンの人間との繋がりが現実味を帯びてきました。
4.クマサンの正体は
わたしはクマサンの正体は人間…というより人間が造ったプログラム(AI)なんじゃないかな~と結論づけます。あるいは、宇宙より受信する人間からの電波を受け取って喋っているだとか。アンテナ、怪しいですものね。巨大クマが出没したとしても、人類はどうしてもその場所から衛星を打ち上げたかった。もはや人類は地球にとどまることができないため、クマをかたどった機械にそのミッションを託したのではないか、と。これが「人類論」。
もうひとつの筋として存在するのが「博士単独論」。クマサンを造ったのは唯一海面上昇を予見できた博士だと捉えたほうが妥当。ですがそう考えると博士はいろいろ残し過ぎなんじゃ…ジャッジくん・コジャッジくん・デンワ・クマサン…。とはいえ、博士単独論ならポラリスのところどころにある「私的財産」「私有地」表記の説明がつきます。戦争:人類のおごりが海面上昇を呼び、そのおそれを学会で叫んでも相手にされなかった博士。デンワやジャッジくんに未来を託したあたりからも、人間に愛想を尽かしていたのかもしれません。クマの注意看板や大きな足跡は、当時のニンゲンを近づかせないためのものだったのかも。…と強引に考えれば博士単独論の辻褄が合うことになります。
スペースシャトルや衛星の残骸があることから、その発射はすでに失敗してしまったのでは、という見方もあります。発射の役目を終えたクマサンは、プログラムされた金イクラ集めしかできない、とか。何故方舟の発射は失敗したのか?
「霧だ… 気をつけなさい… 希望が 絶望にひっくりかえるのは いつもこういう時だ」
自分の考えはここまでですが、もし気づいたことや違なる解釈などがあればコメントを。
こちら補足という形で、いくつか気になる点を挙げていきます。
・クマサンギア
あれ?スプラトゥーンっぽいじゃん!というクマサンブランドギアが3つ存在します。1つ目がフューエルブルゾン。
これは、「たこoil」(石油を取り扱う企業?)のフク。前作のステージ「シオノメ油田」には広告がたくさん。「フューエル」は燃料を意味します。よりによって燃料・石油会社だなんて。
2つ目、イカテンくんポロ。
ハイカラスクエアのモニターにも時折映るイカテンくん。こちらは公式からも紹介されており、「イカテン急便」という企業のものなんだとか。クール便もできるイカテン急便。宅配とクマサンの関連を考えて思いつくのは…
ハコビヤ。彼ら、いかにもクール便ですし。
最後に、アゲアゲ・10・プラーXXL。
ロブズ・10・プラーとのコラボですね。バイトの報酬としてチケットが配られるので、そんなに違和感はないかも。公式ツイッターによると、ロブは友人の紹介で今の仕事に就いているのだとか。
・7つの輪
ヒーローモードのミステリーファイル17には「七つの輪より煙が上がり海から赤き魚が現れ地のあらゆる物を食い尽くした」とあり、押絵の空に七つの輪が。
ジェットエンジンかも…?赤き魚とはなんなのか…?押絵にはシャケたちが確認できます。「煙が上がり」、サーモンランのBBQのような飾り付けから、七つの輪は単なる七輪だという説も。
・ポラリスの立地
ポラリスから周囲を見渡すと一面海。遠くに街がたたずんでいます。いかにもロケット発射場なカンジですが、もしそこが「ポラリス」の名の通り北極星の真下であれば、ロケットの打ち上げエネルギーの効率がよくありません。例えば種子島宇宙センターはなるべく赤道付近でロケットを発射し、地球の自転を利用してエネルギーの節約しています。詳しくはWIKIPEDIA。けっこう細かいことなのでそこまでは考慮されていないのかもしれませんけれども。
おまけ
「『ン』はくりかえす…打ち寄せる波から『ン』を感じ取るんだ…」
…それって、「ニンゲン」?
参考
https://news.mynavi.jp/article/20150805-Splatoon01/2